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同じ大学出身の人に会う

ちょっとだけ関わっている共同体の農場に小さなスペースの畑を借りた。

その農場に研修で住み込みしている人(Kさんとしよう)が同じ大学出身で、さらに、山岳部だったというのを聞いた。何度も、勉強会で会っているのに初めて気づいた。

私は、その山岳部に大学1年に入部し、6月に退部した。Kさんは、年齢から3つ上なので、浪人して入学したとの事なので、私が大学1年の時には、3年だったはずだ。ということは、私が退部する原因となった6月に実施された「新歓合宿」で顔をあわせているはずだ。

でも、もう、二十年前近い話なので(もうそんなに経つのか)、まったく覚えていない。Kさんは、すごく優しい人でとても怒りそうにない。新歓合宿で優しい先輩は皆無だった。なぜならば、合宿以前までは優しかった他の先輩も、その合宿中はすべて厳しく、怒っていたように思うからだ。まあ、雪上訓練や雪渓の上を歩くので、ちょっとした油断が死につながるから、しかたないといえばしかたない状況だろう。

ただ、同期の懐かしい名前などが出てきて、やはり、一緒に合宿にはいたはずということだった。

なぜ、退部したかというと、厳しかったこともあるが、それよりも、合宿の仕方があまりにも、もったいないやり方だったからだ。

  • 合宿場所は、上高地の横尾にベースキャンプを張る。
    (いい場所だった。テントを張った横を流れる川の水をそのまま飲んだ。うまかった。現在は飲まないだろう。山小屋が大きくなっただろうから)
  • 槍や穂高などに、ベースキャンプから、1日で往復する。
    (せっかく登ったのに、1時間も山頂に滞在せず、すぐに下山・・・。何のために登るの?山に詳しくない人には、意味不明でごめんなさい。槍・穂高を一日で往復するなんて普通しないです。というか、一日かけて登ります。一日かけて下ります。)
  • 往復しない日は、雪上訓練を何度もする。
    (一日も休みというか、のんびりできる日がなかった。)
という感じで、さすが、日本で一番伝統がある山岳部の合宿という感じだ。山を甘く見てはいけない、危険と隣あわせを伝えたい、最初の合宿ということで厳しい、というのも分かる。だが、山岳部ならば、山を愛でるというか、山の良さを伝えるというかそんなところが欠けている様に思った。飴と鞭ではなく、鞭と鞭ばかりで、飴の部分がなかった。こんなに上下関係が厳しいのでは、やり続ける自信がない、もしやり続けたら、先輩になったときに下級生をあんなに厳しくしなければならないのか?と思ったため退部した。

合宿中の朝ご飯で、インスタントの蕎麦だった時があり、さらに、大量に作るため時間がかかったのか、汁を吸ったのびのびの蕎麦だった。朝の寝起きで、この蕎麦は吐きそうだった。上高地のある松本は、信州蕎麦で旨いはずなのに。

合宿中に、一度、とても登れないということで1日1人だけでベースキャンプで残ったことがあった。天国だった。

そんな合宿中の食事や道具を無理やり詰め込んだキスリングを担いで徳本峠をこえて上高地(横尾)まで行ったのだ。肩が痛かった。そして、重さのためか、無理やり詰め込んだためか、背負っている途中で肩紐が切れたのを思い出す。(無理やり詰め込まなくても、横尾なら、少し往復すれば、途中で食材は調達できるのになあ。それが甘いといえば甘いのだろうけど。)よく歩けたなあ。そもそも、徳本峠から上高地に入らなくてもいいものを。

という、遠い昔の愚痴を、長々と、Kさんにしてしまった。合宿中は厳しかったハズのKさんの顔は、ニコニコしていた。

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